抗核抗体-その数字が高いときは? リウマチ・膠原病メモ
★「抗核抗体」とは?
・細胞核内に存在する各種物質に対する「抗体」の総称です。
・「抗体」とは、抗体は、特定の異物にある抗原(目印)に特異的に結合して、その異物を生体内から排除する分子(タンパク質)のことで、通常は「外敵(異物)を排除する働きの重要なひとつ」です。
・一方で、「抗核抗体」とは「自分自身の核(の中の物質)に結合して排除しようとする「抗体」のことです。通常、そんなものは人の血液には存在しませんが、リウマチ性疾患の方の血液からはしばしば検出されるため、リウマチ性疾患が疑われる場合にはよく調べられます。
・「なぜ「抗核抗体」が血液中に存在するのか?」については、今だもって原因不明です。
★どんな疾患で高くなるのか?
・出現頻度が高く、値が非常に高くなる疾患・・・混合性結合組織病、シェーグレン症候群、全身性強皮症など
・出現頻度が高く、値が比較的高くなる疾患・・・全身性エリテマトーデスなど
・その他・・・・・・・・・若年性特発性関節炎、皮膚筋炎など
★ですが、、、「抗核抗体が陽性」=「なんらかのリウマチ性疾患」では、必ずしもありません!
・高い値ではありませんが、健康なお子さんでも「抗核抗体」がしばしば見られることがあります。もし「抗核抗体が高いですね」と言われたとき、それは「大人の正常値」を基準にしていることが大半で、老人や小児では正常値を(高めに)変える必要がある、とする考え方が一般です。なぜなら、大人に比べて小児期には「抗核抗体」の正常値はやや高めで、加齢とともに低下していく傾向にあるからです。
・また、なぜ「抗核抗体」を調べることになったのでしょうか?リウマチ性疾患を疑うような、あるいはそれに合致するような症状、経過があったからでしょうか?という点も重要です。
★「抗核抗体」は、リウマチ性疾患をチェックする上で大切な検査ですが、それが高く検出されたとしても、その程度、パターン、なによりご本人にはどんな症状があるのか、いろんな要素を加味して、判断する必要があります。
★もし、不安を持たれた場合、どうぞご相談にいらっしゃってください。